トレタ開発者ブログ

飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」、モバイルオーダー「トレタO/X」などを運営するトレタの開発メンバーによるブログです。

VPoEとしてやっていくこと

こんにちは、この度VPoEになりました北川です。

ついこの間まではPdMとしてプロダクトをみていましたが、少し範囲が広がり開発組織全体も見ていくことになりました。

せっかくなので、VPoEとしてこれから何を考えどうやっていくのか、今日時点での所信表明をこの記事に書こうと思います。

corp.toreta.in

VPoEとは

あらためて、VPoEとは「Vice President of Engineering」の略です。日本語でいうと開発部長です。

とはいえ一言でVPoEといっても広義であり、各社ごとにその定義や役割は違うと思います。

そんな中で自分の中で気に入っている定義は、VPoE handbookにある「Executionに責任をもつ人」という定義です。

note.com

こちらによると、VPoEの一番の責務は「Execution = 実行」 であると書かれています。具体的に言うと、CEOやCOOが意思決定した戦略に対し、「確実に・最適に実行する責任」を持つことです。

振り返ってみると今までの自分のキャリアでは比較的に一人エンジニアとして動くことが多かったです。トレタでも入社後には新規プロジェクトの立ち上げとしてエンジニアは自分のみで、プロダクトオーナーやセールス、CSと二人三脚のように事業を進めていく動きをしていました。

フロントエンド/バックエンド/インフラなど開発領域に垣根なく必要な開発は全てやるし、運用に必要な仕組みを作ったり各所とのコミュニケーションや調整など、事業を進めていく上で必要なことは何でも行なっていく、というのが自分の性に合っていたようです。

PdMになってからも範囲は広くなりましたが基本的に動き方は変わりませんでした。今度はVPoEとして開発部の各チームを束ねながら事業を推進するために必要なことはなんであれ着実に実行していく、ということを変わらずやっていきます。

CTO vs VPoE

トレタではVPoEがいる時期といない時期があります。CTOは技術領域の責任者、VPoEが組織面での責任者といった区分けです。

今回においては前CTOが退任となり、自分がVPoEとなりました。なので現時点において弊社のCTOは不在です。

自分はCTOという肩書きは選ばずにあえてVPoEという肩書きを選びました。

理由としては、前CTOほど自分は技術に長けているわけではなくその器でもないと感じていること。CTOとして相応しい人が現れたら二人で肩を並べるためにCTOの席は空席にしておきました。

それが社内のメンバーから頭角を表してくれれば大変喜ばしいし、これから良い出会いがあるかもしれません。その時までCTOの穴を補いつつ組織力を高めようと思います。

事業成長の遂行

さて、VPoEの役割は「実行に責任を持つこと」と書きましたが具体的に何をやっていくのか、という部分に入ります。

トレタの会社のビジョンは「食の未来をアップデートする」です。このビジョンを実行に移していくわけですが、直近だと注力事業のモバイルオーダーシステムである「トレタO/X」の事業計画を遂行していくことになります。

toreta.in

「トレタO/X」はプロトタイプの時期から数えると4年くらい経っているプロダクトになります。0→ 1 のフェーズはとっくに過ぎましたが、そこから事業スケールがなかなかうまく行かず現在は1→ 5くらいの達成度の感覚です。

今年に入りブレイクスルーが見えてきてやっと1→ 10のフェーズを超える兆しが見えてきたところです。まずはそこを確実に遂行するのが今年の目標です。

そこから次は10→100のフェーズに入っていきます。それには組織のスケールが必要になってくるので、ロードマップを作りプロダクトや組織のスケールの計画を作り遂行していきます。

チームビルディング

チームビルディングは一朝一夕ではできないので、今から少しずつ中〜長期を見据えたチーム体制へ徐々に移行していく準備をしていきます。

今のチーム体制の課題の一つとしては、リリーススピードの鈍化が挙げられます。

モバイルオーダーのシステムはエンドユーザーが使う注文アプリ以外にも、飲食店スタッフが使うハンディアプリやバックオフィス向けの管理アプリや売上管理アプリなど利用するアクターに合わせて複数存在しており、アプリケーションが増える度にフットワークが重くなってきています。

ドメインにあわせたマイクロサービスごとのバックエンドチームと、アプリケーションごとのフロントエンドチームに分かれていますが、この縦割りの体制であることが結果的に一つの機能改修に対して複数のチームでの改修が必要になる、という場面が多くなってしまいました。

この反省から、既存の縦軸のチーム分割とあわせて機能改修を1つのチームで完結できる横軸の横断チームを構成しようと考えています。

チームトポロジーでいうところの「ストリームアラインドアラインドチーム」にあたります。他の本では「デリバリーチーム」と表されていたりもします。

www.atlassian.com

エンドユーザーと直接面しているセールスやCSチームと開発チームが一緒になり、フィードバックから企画、開発、結果検証までのフィードバックループが行えるチーム体制を目指していきます。

採用の強化やオープンポジションもこれから広げていきますので、興味のある方はぜひお声がけください。

hrmos.co

カルチャー作り

チーム作りとあわせて組織の文化形成の強化も必要になってきます。

現在のエンジニア組織のコアバリューは「良質なプロダクトを産むために、トレタとしての技術資産を生み出す」です。

いわゆる「顧客が本当に必要なもの」を正しく定義し、技術的に正しい状態を目指していく、という意味が込められています。

このバリューは大切にしつつ、さらにアップデートしようと思っていますが、それについてはまた別の記事を書こうと思います。

やらないこと

最後に、余談程度にやることの反対でやらないことを挙げておこうかと思います。

無理しない」です。

今月に入ってVPoEとしての動きに変わってから、ストレスなのかわかりませんがニキビが増えたのが最近の悩みです。 責任あるポジションになり体やメンタルを崩す人を見ることは今までにもありました。無理はせずにやれる範囲でやれることをやっていこうと思います。

「紅の豚」というジブリ作品のセリフに「徹夜はするな、睡眠不足はいい仕事の敵だ」というのがあります。

常にベストのコンディションを保ち、いい仕事をしていきたいと思います。

© Toreta, Inc.

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